14. LaTeXファイルの編集
WZ6.0.45からTeXファイルの編集に標準機能で対応しました。
WZ6でTeXファイルを開くと、各種の編集支援機能を使えるようになります。
※LaTeXは、主に数式を含む理数系の論文や書籍の標準的なフォーマットです。
文書スタイルの登録
WZ6.0.45以前のWZ6をお使いの方は、LaTeXの文書スタイルの新規登録が必要です。「文書スタイル」を「初期化」の操作をするとLaTeXスタイルが登録されますが、文書スタイルのカスタマイズ内容が失われます。
カスタマイズを保ちながらLaTeXスタイルを追加するには次の操作をします。次回の起動から.texファイルを開くと、WZ6の各種のTeX機能が有効になります。
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拡張子が.texのファイルをWZ6で開く。
[ファイル]メニューから[end]-[文書スタイルの一覧]を開く。
「その他のプログラム」内の「texファイル」を選択して、「texファイルの登録解除」を押す。
「標準」を選択して、「新規作成」を押し、名前に「LaTeX」を入力してOK。
「編集」を押す。
「色分けスタイル」を「TeX」、「テキストタグ」を「LaTeX」、「見出し認識」を「WZ標準」、「箇条書き認識」をONにしてOK。
OKを押す。
「texファイルを登録」を押す。
一度、すべてのWZ6を終了。
色分けスタイルの更新
WZ6.0.45以前のWZ6をお使いの方は、LaTeXの色分けスタイルの更新が必要です。「色分けスタイル」を「初期化」の操作をすると更新がおこなわれますが、色分けスタイルのカスタマイズ内容が失われます。
カスタマイズを保ちながらLaTeXのスタイルを更新するには次の操作をします。次回の起動から.texファイルを開くと、TeX命令の色分けが実行されるようになります。
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[表示]メニューから[色分けスタイル]を開く。
「一覧」を押す。
「TeX」を選択して「編集」を押す。
一覧の最後を選択して「追加」を押す。
「色の指定」を「予約語」、「種類」を「テキストタグ」にしてOK。
OKを押す。
pLaTeXとdvioutの準備
LaTeXファイルをコンパイルして、TeXコマンドを適用した文書の画面表示をおこなうには、WZ6とは別ソフトウェアの「pLaTeX」と「dviout」が必要です。このソフトウェアはインターネットからダウンロードし、フリーソフトウェアとしてインストールできます。
WZ6からLaTeXファイルのコンパイルとdvioutのプレビューを実行することも可能です。この機能を使うには、次の準備をおこなってください。
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「pLaTeX」「dviout」をインストールする。
MS-DOSプロンプトから、コマンド「pLaTeX」の入力でLaTeXコンパイラが実行できるように環境変数PATHを定義する。
拡張子.dviにdvioutを関連付ける。
※「pTeX, Version 3.1415926-p3.1.10 (Web2C 2009)」にて動作を確認しています。
※「pLaTeX」「dviout」「BibTeX」のダウンロードやインストール、環境変数の定義、関連付けの方法等のお問い合わせは、テクニカルサポートの対象外となります。
メニューコマンドの追加
WZ6で拡張子が.texのTeXファイルを開くと、次のメニューコマンドが使えるようになります。
[挿入]メニューから[タグ] | TeXのコマンドをダイアログから選んで挿入します。 |
[表示]メニューから[文字参照を文字表示] | 数学記号やギリシャ文字の「\sum」を「Σ」、「\alpha」を「α」で表示します。(文章の内容は保ちます) |
[表示]メニューから[タグを表示] | TeXコマンドをそのまま表示します。コマンドの解釈はおこないません。 |
[表示]メニューから[タグを記号表示] | TeXコマンドをそのまま表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 |
[表示]メニューから[タグを非表示] | TeXコマンドと「$」と「&」を表示上で消します(文章の内容は保ちます)。 「文字参照を文字表示」も実行して、数学記号とギリシャ文字を表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 TeXコマンドが非表示になるので、文章の内容の編集に専念することができます。 |
[見出]メニューから[タグアウトライン] | \begin{環境名}-\end{環境名}タグの入れ子関係をアウトラインに表示します。 |
TeXコマンドの解釈表示
[表示]メニューから[タグを表示]または[表示]メニューから[タグを記号表示]を実行すると、WZ6がテキストのTeXコマンドの一部を解釈し、体裁を整えた表示を実行します。
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「\\」を段落内改行として改行します。
上付き・下付き指定を画面表示に反映します。
Σの上下への表示や、ネスティング指定には対応していません。
「\item」で始まる段落の、折り返し2行目以降を字下げ表示します。
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「&」を表のそれぞれの桁の区切りとみなして、桁揃え表示します。
表を次の形式で作成しておくと、桁1、桁2、桁3のそれぞれの桁をWZ6が自動的に揃えて表示します。
WZ6の編集画面にて、表の仕上がりイメージが把握できるようになります。表示は目安としてお使いください。表の確認は「タイプセットとプレビュー」を実行しておこなってください。
\begin{tabular}{|c|c|c|}
桁1a & 桁2a & 桁3a \\ <改行>
桁1b & 桁2b & 桁3b \\ <改行>
桁1c & 桁2c & 桁3c \\ <改行>
\end{tabular}
その他、「文書スタイル」で「字下げ」を「行頭タブ」に設定しておくと、WZ6の編集画面で行頭のタブの字下げ表示ができます。「引用」部分を字下げするなど、見やすい表示で編集できます。
キーコマンドの追加
Shift+Enter | カーソル位置に「\\」を挿入します。 |
Enter | [表示]メニューから[タグを記号表示]か[表示]メニューから[タグを非表示]を実行しておくと、「\item」段落内で改行すると、新しい行を「\item」で始めます。 |
Alt+B | 「LaTeX専用メニュー」を表示します。 |
コンテキストメニュー | 「LaTeX専用メニュー」呼び出しコマンドが追加されます。 |
LaTeX専用メニュー
TeXファイルでAlt+Bを押すと、TeX専用のメニューを表示します。
「TeXコマンド」「数学記号」「ギリシャ文字」の選択ダイアログでは、文字入力で絞り込み検索できます。英字や記号を入力するたびに絞り込みされます。絞り込んで、選択してOKするとカーソル位置にコマンドが挿入されます。絞り込みを取り消すには[BS]キーを押します。
タイプセットとプレビュー | pLaTeXを呼び出してTeXのコンパイルと、dvioutを呼び出してプレビューします。ステータスバーにコンパイルの成功/失敗を表示します。文書が編集されている場合は、上書き保存してからコンパイルします。 コンパイル結果は「ファイル名.dvi」になります。ログファイル「ファイル名.log」が作成されます。 コンパイルエラーが発生したときは、エラー内容を表示します。エラー内容から「タグジャンプ」コマンドで、エラー箇所にジャンプできます。 ※「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
BibTeXの起動 | 別プログラムのBibTeXを呼び出して、TeXファイルの参照文献の処理を実行します。 ※「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
文書タイプセット | pLaTeXを呼び出してTeXをコンパイルします。「タイプセットとプレビュー」コマンドと同じく結果を表示します。 |
プレビュー | divoutを呼び出してプレビューします。 事前に「タイプセット」を実行して、dviファイルを作成しておく必要があります。 ※「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
前回コマンド実行のログ | 前回のタイプセットやBibTeXの実行結果を表示します。エラーメッセージなどが参照できます。 |
タイプセットのログ | タイプセットのログ「ファイル名.log」を表示します。 |
BibTeXのログ | BibTeXのログ「ファイル名.blg」を表示します。 |
begin型補完 | \begin{環境名}-\end{環境名}のTeXコマンドを選択挿入します。範囲選択して実行すると、選択部分を囲みます。 |
large型補完 | {\large ...}型のTeXコマンドを選択挿入します。範囲選択して実行すると、選択部分を囲みます。 |
setcion型補完 | \section{...}型のTeXコマンドを選択挿入します。範囲選択して実行すると、選択部分を囲みます。 |
maketitle型補完 | \maketitle型のTeXコマンドを選択挿入します。 |
アクセント補完 | 各種アクセントのTeXコマンドを選択して挿入します。範囲選択して実行すると、選択部分を囲みます。 |
end補完 | \begin{環境名}に対応する\end{環境名}がない場合に、カーソル位置に\end{環境名}を挿入します。 |
環境名の変更 | \begin{環境名}または\end{環境名}にカーソルを置いて実行すると、環境名を変更する選択ダイアログを表示します。OKすると\beginと\endの環境名を変更します。 |
数学記号イメージ補完 | 数学記号のTeXコマンドを選択して挿入します。 |
ギリシャイメージ補完 | ギリシャ文字のTeXコマンドを選択して挿入します。 |
イメージ補完モード | 「イメージ補完モード」のON/OFFを切り替えます。WZ6の起動時はONです。 「イメージ補完モード」がONのときに、数式モード内で「;」か「:」を入力すると、「数学記号」「ギリシャ文字」の補完入力ダイアログを表示します。 数式モードの判定は、$...$内、\[...\]内、\begin{eqnarray}...\end{eqnarray}内で判断します。 |
コマンドの削除 | カーソル位置のTeXコマンドを削除します。カーソル位置が\begin{環境名}または\end{環境名}の場合は、対応する\begin{環境名}と\end{環境名}を削除します。 |
コマンドと内容の削除 | カーソル位置のTeXコマンドと、コマンドが適用される文章を削除します。カーソル位置が\begin{環境名}または\end{環境名}の場合は、\begin{環境名}から\end{環境名}の内容がすべて削除されます。 |
TeXコマンドを表示 | TeXコマンドをそのまま表示します。コマンドの解釈はおこないません。 |
TeXコマンドを解釈して表示 | TeXコマンドをそのまま表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 |
TeXコマンドを非表示 | TeXコマンドと「$」と「&」を表示上で消します(文章の内容は保ちます)。 「文字参照を文字表示」も実行して、数学記号とギリシャ文字を表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 TeXコマンドが非表示になるので、文章の内容の編集に専念することができます。 |
数学記号とギリシャ文字の表示 | 数学記号やギリシャ文字の「\sum」を「Σ」、「\alpha」を「α」で表示します。(文章の内容は保ちます) |
\begin-\endのアウトライン | \begin{環境名}-\end{環境名}タグの入れ子関係をアウトラインに表示します。 |
設定 | 「pLaTeX」「BibTeX」の起動オプションを設定するダイアログを表示します。 |
対応ラベルへ | カーソル位置が、\ref{ラベル}、\pageref{ラベル}、\cite{文献名}の場合に、対応する\label{ラベル}、\bibitem{文献名}を検索してジャンプします。 |
※「LaTeX専用メニュー」の仕様は、「p白鳥」を参考にさせていただきました。
文献データベース参照支援
WZ6で文献データベースファイル(拡張子.bib)を開くと、「BIB VIEW」機能が使用できます。
「BIB VIEW」は、文献データファイルの内容を表形式で一覧表示します。
「絞り込み検索」「ソート」と、\citeに使用する「文献名」のコピーができます。
「BIB VIEW」を起動するには、bibファイルで[Alt+B]キーを押して、「BIB ビューアー」を実行します。
「BIB VIEW」の一覧で、直接文字入力をすると、絞り込み表示がおこなわれます。絞り込みを解除するには[BS]キーを必要な回数押すか、[表示]-[絞り込みの解除]を実行します。
「BIB VIEW」には次のメニューコマンドがあります。
[ファイル]-[終了] | BIB VIEWを終了します。 |
[編集]-[IDのコピー] | 選択項目のIDの内容をクリップボードにコピーします。\citeの「文献名」として使用できます。 |
[表示]メニュー
表示項目の設定 | 一覧に表示する項目名や表示幅、順序をカスタマイズします。 |
絞込みの解除 | 一覧の絞り込み表示を解除します。 |
題名順 | 一覧をソートします。 |
著者順
よみ順
出版社順
発行年順