WZ Writing Editor 3
マニュアル
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概要
WZW3ではルビ、傍線、傍点、太字、割注などの文字装飾と字下げなどの段落体裁を使用できます。文字装飾や段落体裁は、青空文庫形式の記号列の「タグ」で指定します。タグで装飾した原稿は、各種の青空文庫ビューアーで表示できます。
WZW3では対応していない青空文庫形式のタグもあります。訓点や外字などには対応しておりません。青空文庫とは異なり見出しは段落先頭の半角ピリオドで認識します。
ルビを挿入するには、『挿入メニュー:ルビ』を実行して、漢字と読みを入力します。
傍線や太字の文字装飾をするには、文字を選択して『挿入メニュー:タグ』を実行します。この他、改ページ、字下げ、段落体裁、箇条書きにも対応しています。
ルビ
ルビは、漢字にふりがなを付ける機能です。ルビを入力するには、下記の操作をおこないます。
- 『挿入メニュー:ルビ』を実行
- 漢字と読みを入力してOK
テキストに下記のルビを指定する青空文庫タグが挿入され、ルビが表示されます。ルビを付けた漢字は、「親文字」となります。
|漢字《よみ》
テキストの漢字にルビを入力するには、下記の操作をおこないます。
- ふりがなを付ける文字を選択
- 『挿入メニュー:ルビ』を実行
「プロパティ」ダイアログに選択した文字が取り込まれます。 - 「読み」を入力してOK
選択した文字にルビが付きます。
タグの表示を消去して本文を表示するには、『表示メニュー:タグ』を実行します。
ルビの組版表示
ルビの組版表示は、文字間隔を自動調整して親文字とルビを揃えて表示する機能です。
- ルビの文字間隔は0として、ルビの長さを計算します。
- ルビが親文字より短い場合は、ルビに余白を空けます。
ルビ開始余白:ルビ文字間の余白:ルビ終了余白=1:2:1の余白を空けます。 - ルビが親文字より長い場合は、親文字に余白を空けます。
親文字開始余白:親文字間の余白:親文字終了余白=1:2:1の余白を空けます。
行末の親文字には禁則処理を適用して、親文字が折り返す場合は次行に追い出します。
上記の組版処理で親文字に余白を取ると折り返す場合は、次行に追い出します。
タグの表示
文字装飾や段落体裁は文章とは別のタグが埋め込まれるために可読性が低下します。WZW3では、タグの表示だけを消してテキスト文章のみを表示することができます。下記の操作をおこないます。タグの表示は消えても文章の中には残っています。
- 『表示メニュー:タグ』を実行
再度、上記のコマンドを実行するとタグの表示をONにします。
下記のカスタマイズをおこなうと、印刷プレビューと印刷時に自動でタグの表示をOFFにできます。
- 『表示メニュー:設定』を実行
- 印刷タブを選択
- 印刷グループの『印刷でタグを表示しない』をONにしてOK
文字装飾
文字装飾は、傍線、傍点、ゴシック太字、斜体、文字サイズ、上付き、下付きに対応しています。文字装飾を指定すると、青空文庫規定の[#傍点]〜[#傍点終わり]などのタグを挿入します。
傍線を指定するには、下記の操作をおこないます。縦書きでは文字の右側、横書きでは下側に線を表示します。波線は二重破線で代替表示します。
- 傍線を付ける文字列を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「傍線」を選択
- 「傍線」「二重傍線」「破線」「鎖線」「波線」から選択してOK
傍点を指定するには、同様に下記の操作をおこないます。蛇の目傍点は、○と小さい●を重ね合わせて表示するため、表示がずれる場合があります。
- 傍点を付ける文字列を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「傍点」を選択
- 「傍点」「白ゴマ傍点」「白丸傍点」「丸傍傍点」「黒三角傍点」「白三角傍点」「二重丸傍点」「蛇の目傍点」から選択してOK
「ゴシック太字」「斜体」「上付き」「下付き」の文字装飾は、下記の操作をおこないます。「ゴシック太字」は「MS ゴシック」フォントでの代替表示となります。
- 装飾する文字列を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「ゴシック太字」「斜体」「上付き」「下付き」を選択してOK
文字サイズを指定するには、下記の操作をおこないます。
- 文字サイズを変更する文字列を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「大きく」または「小さく」を選択
- サイズ変更の段階を1〜15から選択してOK
割注
傍線を指定するには、下記の操作をおこないます。
- 割注を付ける文字列を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「割注」を選択してOK
割注内では、ルビや縦中横、文字装飾には対応しておりません。
ブロックの装飾
ブロックの装飾は、複数の段落のゴシック太字、斜体、文字サイズの装飾を一括して指定する機能です。装飾を指定すると、青空文庫規定の[#ここから太字]〜[#ここで太字終わり]などのタグを挿入します。ゴシック太字は、「MS ゴシック」フォントでの代替表示となります。
ブロックの装飾を指定するには、下記の操作をおこないます。
- 装飾する段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「ブロック体裁」を選択
- 「ゴシック太字」「斜体」「大きく」「小さく」を選択してOK
- 文字サイズの指定は、サイズ変更の段階を1〜15から選択してOK
ブロックの装飾を指定してから段落のテキストを入力するには、下記の操作をおこない、続けて段落を入力すると装飾表示がおこなわれます。
- 選択を解除
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「ブロック体裁」を選択
- 「ゴシック太字」「斜体」「大きく」「小さく」を選択してOK
- 文字サイズの指定は、サイズ変更の段階を1〜15から選択してOK
字下げ、地寄せ、字詰め
複数の段落ブロックを一括して字下げ、地寄せ、地付き、字詰めの指定に対応しています。字下げ、地寄せを指定すると、青空文庫規定の[#ここから○字下げ]〜[#ここで字下げ終わり]などのタグを挿入します。
字下げを指定するには、下記の操作をおこないます。段落の前後に[#ここから○字下げ]と[#ここで字下げ終わり]タグの行が挿入されて、段落が字下げ表示されます。タグの表示をOFFにすると、タグ行の表示は消えて本文だけの表示となります。
- 字下げする段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「字下げ」を選択
- 字下げ文字数を1〜15から選択
- 「折り返しの字下げ」に「指定なし」を選択してOK
「折り返しの字下げ」に0〜14を選択すると、段落の折り返し行の字下げを指定できます。
地寄せ、地付きを指定するには、下記の操作をおこないます。段落の前後に[#ここから地から○字上げ]と[#ここで字上げ終わり]タグが挿入され、段落が行末寄せで指定した文字数の字上げで表示されます。
- 地寄せする段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「地寄せ」を選択
- 「地付き」か地寄せ文字数を1〜14から選択してOK
字詰めを指定するには、下記の操作をおこないます。段落の前後に[#ここから○字詰め]と、[#ここで字詰め終わり]のタグが挿入されて、指定した文字数で段落を折り返して表示します。
- 字詰めする段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「字詰め」を選択
- 字詰め文字数を1〜60から選択してOK
字詰めの指定は、字下げの指定と併用できます。4字下げて、30字詰めなどの指定がおこなえます。字詰めと字下げを指定するには、下記の操作をおこないます。
- 対象とする段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「字下げ」を選択
- 字下げ文字数を1〜15から選択し、「折り返しの字下げ」に「指定なし」を選択してOK
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「字詰め」を選択
- 字詰め文字数を1〜60から選択してOK
このほか、ゴシック太字、斜体、文字サイズの併用指定に対応しています。
箇条書き
折り返しの字下げと記号を組み合わせた箇条書きの指定に対応しています。下記の操作をおこなうと、段落の先頭に指定した箇条書き記号が挿入され、段落の前後に[#ここから0字下げ、折り返して○字下げ]と[#ここで字下げ終わり]タグの行が挿入されて、段落が箇条書きの字下げで表示されます。
- 箇条書き指定をする段落を選択
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 「箇条書き」を選択
- 箇条書きの記号を「・」「1.」「一、」から選択してOK
改頁、改段、改行
改ページ
改ページは、指定した箇所でページを改めて、本文の続きを次のページから印刷する機能です。
改ページを挿入するには、下記の操作をおこないます。実行すると、改ページのタグが挿入されます。
- 『挿入メニュー:改ページと空白』を実行
- 一覧から「改ページ」を選択してOK
改段
改段は、指定した箇所で段組を改めて、本文の続きを次の段から印刷する機能です。
改段を挿入するには、下記の操作をおこないます。実行すると、改段のタグが挿入されます。
- 『挿入メニュー:改ページと空白』を実行。
- 一覧から「改段」を選択してOK。
n/m改行と行間
n/m改行と行間は、段落単位の改行の高さや行間を指定する機能です。空行の空きを詰めたり、行間を1/2や0に詰めて表示します。n/m改行と行間は、青空文庫標準ではなくWZW3拡張のタグが挿入されます。
下記の操作でn/m改行を指定すると、段落先頭にタグが挿入されて、行高を1/3,1/2,2/3行で表示します。
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 一覧から「改行高さ」を選択
- 「1/3」「1/2」「2/3」から選択してOK
段落を通常の行高に戻すには、タグを削除します。
下記の操作でn/m行間を指定すると、段落先頭にタグが挿入されて、行間を1/2や0で表示します。
- 『挿入メニュー:タグ』を実行
- 一覧から「行間」を選択
- 「0」「1/2」から選択してOK
段落を通常の行高に戻すには、タグを削除します。
タグの詳細
WZW3ではデフォルトで、青空文庫形式のタグを使用します。この他、「カクヨム記法」と「タグを使用しない」設定を選択することができます。
青空文庫のタグは下記の形式です。
- ルビの指定
- 文字装飾、段落体裁
- [#各種文字列]
各種文字列は全角で、装飾や体裁を指定します。
WZW3では、青空文庫で規定されている下記の文字装飾や段落体裁の表示に対応しています。
- 漢字《読み》
- 漢字に読みのルビ付きで表示します。
- 漢字|漢字《読み》
- 漢字に読みのルビ付きで表示します。
|記号はルビを付ける位置を指定します。 - [#傍点]〜
[#傍点終わり] - タグで括られた文字列を傍点付きで表示します。
白ゴマ、丸、白丸、黒三角、白三角、二重丸、蛇の目傍点にも対応します。 - [#傍線]〜
[#傍線終わり] - 文字列を傍線付きで表示します。
二重傍線、鎖線、破線、波線にも対応します。
波線は二重破線の代替表示となります。 - [#太字]〜
[#太字終わり] - 文字列をゴシック太字で表示します。
- [#斜体]〜
[#斜体終わり] - 文字列を斜体で表示します。
- [#上付き小文字]〜
[#上付き小文字終わり] - 文字列を上付きの小さい文字で表示します。
- [#下付き小文字]〜
[#下付き小文字終わり] - 文字列を下付きの小さい文字で表示します。
- [#割り注]〜[#割り注終わり]
- 文字列を割注形式の小さい文字で2行で表示します。
- [#一][#二][#レ]
[#一レ][#上レ] - 返り点を表示します。
- [#(...)][#(ノ)]
- 訓点送り仮名を表示します。
- [#改ページ]
- 以降の段落から改ページします。
- [#改段]
- 以降の段落から改段します。
- [#ここから太字]〜
[#ここで太字終わり] - タグに挟まれた段落ブロックをゴシック太字表示します。
- [#ここから斜体]〜
[#ここで斜体終わり] - 段落ブロックを斜体表示します。
- [#○字下げ]
- 段落を字下げ表示します。
- [#ここから○字下げ]〜
[#ここで字下げ終わり] - 段落ブロックを字下げ表示します。
字下げ数は全角の数字で指定します。 - [#ここから○字下げ、折り返して●字下げ]〜
[#ここで字下げ終わり] - 段落ブロックを凹凸の字下げ表示します。
字下げ数は全角の数字で指定します。 - [#ここから地付き]〜
[#ここで地付き終わり] - 段落ブロックを地付き(行末揃え)表示します。
- [#ここから地から○字上げ]〜
[#ここで字上げ終わり] - 段落ブロックを地付きの字上げ表示します。
字上げ数は全角の数字で指定します。 - [#ここから○字詰め]〜
[#ここで字詰め終わり] - 段落ブロックを指定の字詰めで表示します。
字詰め数は全角の数字で指定します。 - [#「文字列」に傍点]
- 文字列を傍点付きで表示します。
丸、白丸、黒三角、白三角、二重丸、蛇の目傍点にも対応します。 - [#「文字列」に傍線]
- 文字列を傍線付きで表示します。
二重傍線にも対応します。 - [#大見出し]〜
[#大見出し終わり] - 段落を大見出しと認識します。中見出し、小見出しにも対応します。
- 〜[#「〜」は大見出し]
- 段落を大見出しと認識します。中見出し、小見出しにも対応します。
タグの認識の解除
ルビと文字装飾や段落体裁が不要の場合は、タグの認識をOFFにカスタマイズできます。
タグとして使用される文字が解除されますので、すべての記号を本文で使用できるようになります。
- 『表示メニュー:設定』を実行
- 体裁タブをクリック
- 体裁認識グループ『タグ』に使用しないを指定してOK