検索と置換
WZ Writing Editorでは、文字列の検索・置換・正規表現・絞り込みに対応しています。
検索では、検索文字の入力中にリアルタイムで検索結果が表示されます。
検索指定文字の色分け表示や、検索文字を含む段落の一覧表示も可能です。
検索ボックス/リアルタイムの結果表示/検索文字列の色分け/絞り込み表示/分割ビュー表示
検索と置換 目次
検索 | 文字列の検索と色分け、検索の履歴について |
検索モードとオプション | 基本・曖昧・単語・正規表現モードと検索オプションについて |
検索ボックス | ツールバーの検索ボックスによる検索について |
検索文字の取得 | テキスト本文からの検索語句の取得について |
絞り込み | 検索語句を含む段落の絞り込み一覧表示について |
置換 | 置換の確認・範囲内の置換・履歴について |
マーク | カーソル位置のマーク1〜4への記憶とジャンプについて |
タグジャンプ | テキストのファイル名の入力とジャンプについて |
正規表現による検索 | 複数文字列のOR検索やパターンの検索について |
正規表現メタキャラクタ | 正規表現のパターンの指定について |
正規表現による置換 | パターンの置換やテキストの加工について |
検索
検索は、編集テキストから指定した文字を探してジャンプする機能です。
文字列を検索するには、下記の操作をおこないます。
- [検索]メニューの[検索]を実行。
- 「検索」テキストボックスに文字列を指定。
- 「検索モード」に「基本」を選択。
- 検索オプションのチェックボックスをすべてOFFにしてOK。
カーソルの次の文字から検索を開始して、指定の検索文字列にジャンプします。
次の文字を検索するには、[検索]メニューの[次を検索]を実行します。
前の文字を検索するには、[検索]メニューの[前を検索]を実行します。
文書の先頭から検索を実行するには、検索ダイアログで「全検索」を実行します。
検索を実行すると、テキストの検索にマッチした文字列を色分けして表示します。
再検索をしなくても、文書を見渡すだけで検索の該当箇所が確認できます。
色分け表示を解除するには、[検索]メニューの[検索の色分け]を実行、または検索ダイアログを表示して[Esc]を押します。
検索ダイアログでは、検索文字やオプションを変更すると、内部で検索を実行して文書内でマッチした個数を表示します。
「文書のマッチ数 (カーソル位置より前方のマッチ数/後方のマッチ数)」を、「12 (5/7)」と表示します。
この表示をOFFにするには、「環境設定」の「検索」から「検索個数表示」をOFFにします。
検索の履歴を300個まで記憶しています。検索文字列のドロップダウンを実行すると一覧を表示します。
一覧から文字列を選択すると、検索テキストボックスに入力します。
文字列の検索時に指定した、検索モードとオプションもダイアログに反映します。
検索モードとオプション
検索モードには、4つのモードがあります。
基本 | 基本のモードです。文字コードの一致を判断して検索します。 |
曖昧 | 英字の大文字と小文字、全角と半角の文字を区別しないで検索します。欧文のアクセント付きアルファベットと、英字のアルファベットを区別しないで検索します。 |
単語 | 半角の英単語を検索します。 woを検索するとwordにはマッチしません。 |
正規 | 正規表現で検索をします。 |
オプションには、検索の詳細オプションのチェックボックスがあります。
大文字と小文字を区別 | ONにすると、半角英文字の大・小を区別します。 OFFにすると、同一視します。「曖昧」モードでは無効です。 |
\を文字として検索 | ONにすると、\文字を通常検索します。 OFFにすると、\文字を検索するには「\\」を指定します。 「正規」モードでは無効です。 |
空白と記号をスキップ | ONにすると、空白と記号とルビや改行をスキップして検索します。 「正規」モードでは無効です。 |
上方向へ検索 | ONにすると、検索語をファイル先頭方向へ検索します。 |
すべてのタブを対象 | ONにすると、すべてのタブの文書を検索します。 |
「\を文字として検索」をOFFにすると、\文字で特殊文字の指定ができます。
- 「\t」でタブ文字、「\n」で改行、「\\」で\文字、「\x0D」で段落内改行を検索します。
- \xに続けて2桁の16進数を指定すると、バイナリデータを検索します。
例「\x1a」
- \xxに続けて複数桁の16進数を指定すると、複数バイトのバイナリデータを検索します。
例「\xx5a5c」
検索ボックス
「検索ボックス」は、ツールバーにある検索用のテキストボックスです。
「検索ボックス」に検索語を入力して、[Enter]キーまたは↑↓ボタンを押すと検索を開始します。
または、本文テキストで検索したい語を選択して、↑↓ボタンを押すと検索を開始します。
メニューやダイアログの選択が不要なので、検索ダイアログよりも手軽に検索できます。
検索文字の取得
環境設定の「検索文字の取得」の設定で、検索ダイアログを開くと検索語を本文から取得します。
英単語にカーソルを置いて、検索ダイアログを開くと英単語を取得します。
文字列を選択して、検索ダイアログを開くと選択文字列を取得します。
絞り込み
「絞り込み」は入力した文字を含む段落を、絞り込んで表示する機能です。
「リストボックス」「アウトライン」「履歴」ウィンドウでは、文字入力で絞り込みを開始します。
編集画面では、[表示]メニューの[閲覧]を実行して閲覧モードをONにすると、文字入力で絞り込みます。
- 文字の入力を続行すると、更に絞り込みます。
- [BS]キーを押すと、絞り込み文字を1文字ずつ解除します。
ダイアログから絞り込み表示をするには、下記の操作をおこないます。
- [検索]メニューの[絞り込み]を実行。「絞り込み」ダイアログが開きます。
- 検索文字列を指定してOK。
置換
置換は、編集テキストから文字列を検索して置換文字列に置き換える機能です。
置換するには、[検索]メニューの[置換]を実行して、置換ダイアログを表示します。
「検索」に検索文字列、「置換」に置換文字列を指定します。
「OK」すると検索実行して、置換を問い合せします。
置換テキストボックスでは、置換文字列を指定します。
- 検索モードが「正規」の場合は、正規表現のタグ指定 (例:$1) を指定できます。
- 置換文字列を空にすると、検索文字列を削除します。
「\を文字として検索」をOFFにすると、\文字で特殊文字の指定ができます。
- 「\t」でタブ文字、「\n」で改行、「\\」で\文字に置換します。
- \xに続けて2桁の16進数を指定すると、バイナリデータに置換します。
例「\x1a」
- \xxに続けて複数桁の16進数を指定すると、複数バイトのバイナリデータに置換します。
例「\xx5a5c」
改行を削除して段落を連結するには、下記の指定をおこないます。
- 「\を文字として検索」をOFF。
- 「検索」に「\n」を指定。
- 「置換」に「空」を指定。
置換には、下記の置換実行の確認や範囲指定のオプションがあります。
置換の確認 | ONにすると、置換実行の前に確認のダイアログを表示します。 OFFにすると、確認をしないで置換実行します。 |
範囲内の置換 | ONにすると、選択範囲内を置換をします。 箱型範囲選択 (矩形選択) の置換にも対応しています。 |
全置換 | テキストの先頭から末尾までの全体を置換します。置換個数が1000個を超えると高速化のため、編集の行番号の太字表示はクリアされます。 |
履歴 | 置換の履歴を300個まで一覧表示します。 選択してOKするとダイアログに入力します。 |
マーク
「マーク」は、文書位置のマーク1〜4への記憶と、記憶した位置へ戻る機能です。
テキストの別の箇所を編集する前に現在の編集位置をマークしておくと、編集後にマーク位置に戻れます。
「マーク」機能は、[検索]メニューの[マーク]サブメニューから実行します。
- 「マーク1に記憶」を実行すると、マーク1にカーソル位置を記憶します。
- 「マーク1へジャンプ」を実行すると、マーク1に記憶した場所に戻ります。
- 「マーク一覧」を実行すると、マーク位置の一覧を表示します。
マーク位置は、ファイルを閉じてもプロファイルに記憶されます。
テキストを編集してマーク位置が移動しても、自動的に記憶の位置が調整されます。
タグジャンプ
「タグジャンプ」は、ファイル名の「タグ」を事前に入力して、そのファイルを開く機能です。
よく使う文書ファイルの「タグ」を埋め込んだファイルを作っておき、目次代わりに使用することができます。
タグには、4種類の書式があります。
- 行頭に"ファイル名"
- 行頭に"ファイル名" 行番号
- 行頭に"ファイル名" "検索文字列"
- 文中に"ファイル名"
「タグジャンプ」するには、[検索]メニューの[タグジャンプ]を実行します。
行途中の"ファイル名"にカーソルをセットしてタグジャンプすると、カーソル位置のファイルが開きます。
ファイルを関連付けで開く
タグジャンプからファイルを関連付けで開く操作に対応しています。
PDFファイルやイメージファイルのタグを埋め込んでタグジャンプを実行すると、ファイルをビューアーで開きます。
ファイルを関連付けで開くには、下記の書式でタグを埋め込みます。
shellは行頭から記述して、ファイル名の直後に改行を入力します。
shell "ファイル名"
(例)
shell "C:\Users\Name\Desktop\PDFファイル.pdf"
ファイル名を入力するには、ファイルをエクスプローラやデスクトップから、マウス右ボタンを押しながら、WZ Writeにドラッグアンドドロップして「ファイル名の挿入」を選択します。
正規表現による検索
正規表現は、文字列のパターンマッチングを表現する記述方法です。
正規表現を使用すると、複数の文字列を指定したOR検索や、特定のパターンを検索することができます。
正規表現を用いて検索するには、検索ダイアログで「正規」をONにして「検索」に正規表現を指定します。
「検索」または「置換」 | 検索|置換 |
「正」または「規」または「表」または「現」 | [正規表現] |
スペースの列 | \s+ |
「数字-数字」 | \d-\d |
空白行 | ^$ |
行頭スペース | ^\s+ |
行末スペース | \s+$ |
E-mailアドレス | [-A-Za-z0-9.]+@[-a-z0-9.]+ |
正規表現メタキャラクタ
正規表現では、検索文字列にメタキャラクタを記述して、パターンの記述や検索のオプションを指定します。
メタキャラクタ以外の文字は、通常の検索文字列として指定できます。
^ | 正規表現の先頭に指定すると行の先頭を表します。 |
$ | 正規表現の末尾に指定すると行の末尾を表します。 |
. | 改行を除いた任意の1文字を表します。(全角も1文字) |
[...] | [ ]内に含まれる任意の1文字を表します。 範囲指定[a-z]、[あ-お]の記述も可能です。(全角文字はシフトJISコードの範囲になります) [ ]内では、\t・\s・\w・\d・\[・\]・\\・\xXXの指定で、タブ・空白・英数字・数字・[・]・\・文字コードXXを指定できます。 |
[^...] | [ ]内に含まれない任意の1文字を表します。範囲指定も可能です。 |
(...) | (...)を1つの文字として扱います。 ()内の文字をタグに記憶します(最大9個)。 |
$N | タグに記憶したN番目の文字列にマッチします。 「\N」の指定も同じです。 |
* | 直前パターンの0回以上のくり返し。 |
+ | 直前パターンの1回以上のくり返し。 |
? | 直前パターンが0個または1個であることを表します。 |
{n,m} | 直前パターンのn回以上、m回以下のくり返し。 nとmは30まで指定できます。数が多いと「正規表現が複雑すぎます」のエラーになります。 直後に同じ文字を「a{3,5}a}と指定すると文字指定が無効になります。 "aaaaaa"に対してa{3,3}を検索すると1回マッチします。 マッチする箇所は不定です。 想定される動作と実際の動作が異なる場合があります。 |
{n} | 直前パターンのn回のくり返し |
< | 単語の始め |
> | 単語の終わり |
| | 和演算子(AまたはB) |
\w | 英数字と「_」 |
\W | \w以外 |
\s | 空白文字(タブ、全角空白も含む) |
\S | 空白以外の文字 |
\d | 数字 |
\D | 数字以外 |
\b | 英単語の始めまたは終わり指定例:"\bWORD"、"WORD\b" |
\B | 英単語の途中指定例:"\BWORD"、"WORD\B" |
\n | 改行(CR+LFまたはLF) |
\r | 復帰(CR) |
\t | タブ |
\x00〜\xFF | 文字コード |
\000〜\777 | 8進数表記による文字コード |
\c | 正規表現 c の意味を取り消して、文字 c を表します。 「.」は「\.」、「+」は「\+」、「\」は「\\」で表します。 |
正規表現の「^」や「$」は改行を表す文字ではなく、「行頭」や「行末」を表す記号です。
正規表現による置換
正規表現の置換は、パターンにマッチした文章をタグに記憶して、置換文字列に指定する「タグ付き置換」に対応しています。
(例) カタカナ単語の−(マイナス)を、ー(音引き)に置き換える
検索文字列 | ([ァ-ヶ])− |
置換文字列 | \1ー |
- タグに記憶するパターンは、()で囲います。
- 置換文字列にタグを指定するには「\1」を記述します。
置換文字列には、下記のメタキャラクタが指定できます。
$N | タグに記憶したN番目の文字列を挿入します。 |
\N | タグに記憶したN番目の文字列を挿入します。 |
$+ | 最後に括弧でマッチした文字列を挿入します。 |
$& | マッチした文字列全体を挿入します。 |
$` | 段落先頭からマッチした文字列までを挿入します。 |
$' | マッチした文字列から段落末尾までを挿入します。 |