TeX
WZ7では、TeXファイルの編集に標準機能で対応しています。
TeXファイルは、主に数式を含む理数系の論文や書籍の標準的なフォーマットです。
拡張子が「.tex」のTeXファイルを開くと、各種の編集支援機能が有効となります。
リサーチ入力による、TeXコマンドの補完入力にも対応しています。[wz7new]
プレーンテキストファイルの「WZ標準テキスト」形式を用いた論文の執筆も可能です。
アウトライン、脚注、箇条書き、字下げ、桁揃え、文字装飾が使用できます。
「WZ標準テキスト」形式の詳細につきましては、「日本語文書」の章をご参照ください。
pLaTeXとdviout
TeXファイルをコンパイルしてTeX文書の画面を表示するには、WZ7とは別のソフトウェア「pLaTeX」と「dviout」が必要です。
このソフトウェアはインターネットからダウンロードし、フリーソフトウェアとしてインストールできます。
WZ7から、TeXファイルのコンパイルとdvioutのプレビューを実行することも可能です。
事前に、下記の必要な操作をおこないます。
- 「pLaTeX」「dviout」をインストールする。
- 環境変数PATHを定義して、MS-DOSプロンプトからコマンド「pLaTeX」の入力でTeXコンパイラを実行可能とする。
- 拡張子.dviにdvioutを関連付ける。
「pTeX, Version 3.1415926-p3.1.10 (Web2C 2009)」にて動作を確認しました。
※「pLaTeX」「dviout」「BibTeX」のダウンロードやインストール、環境変数の定義、関連付けの方法などのお問い合わせにつきましては、テクニカルサポートの対象外となります。
メニューコマンド
TeXファイルを開くと、各種のメニューコマンドが有効となります。
[挿入]メニューの[タグ] | TeXのコマンドをダイアログから選択して挿入します。 |
[表示]メニューの[文字参照を文字表示] | 数学記号やギリシャ文字のコマンドを文字で表示します。 (例)「\sum」を「Σ」、「\alpha」を「α」と表示します。 |
[表示]メニューの[タグを表示] | TeXコマンドを表示します。コマンドの解釈はおこないません。 |
[表示]メニューの[タグを記号表示] | TeXコマンドを表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 |
[表示]メニューの[タグを表示しない] | TeXコマンドと「$」と「&」を表示上で消します。 「文字参照を文字表示」で、数学記号とギリシャ文字を表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して、体裁を整えた表示を実行します。 |
[アウトライン]メニューの[タグアウトライン] | \begin{環境名}-\end{環境名}タグの入れ子関係を、アウトラインに表示します。 |
[ツール]メニューの[専用メニュー] | TeX専用メニューを表示します。 |
TeXメニュー
TeXファイルで[Alt+B]を押すと、TeX専用のメニューを表示します。
タイプセットとプレビュー | 文書を上書き保存して「pLaTeX」でTeXをコンパイルします。 コンパイル結果は「ファイル名.dvi」に出力されます。 ログファイル「ファイル名.log」が作成されます。 ステータスバーにコンパイルの成功/失敗を表示します。 コンパイルに成功すると「dviout」でプレビューを実行します。 コンパイルに失敗するとエラーメッセージを表示します。 エラーメッセージから、タグジャンプでエラー箇所にジャンプします。 「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
BibTeXの起動 | 別プログラム「BibTeX」で、TeXの参照文献の処理を実行します。 「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
文書タイプセット | 「pLaTeX」でTeXをコンパイルして結果を表示します。 |
プレビュー | 「divout」でプレビューします。 事前に「文書タイプセット」の実行が必要です。 「pLaTeXとdvioutの準備」が必要です。 |
前回コマンド実行のログ | 前回のタイプセットや、「BibTeX」の実行結果を表示します。 エラーメッセージやログの参照ができます。 |
タイプセットのログ | タイプセットのログ「ファイル名.log」を表示します。 |
BibTeXのログ | 「BibTeX」のログ「ファイル名.blg」を表示します。 |
begin型補完 | \begin{環境名}-\end{環境名}のTeXコマンドを選択挿入します。 範囲選択して実行すると選択部分を囲みます。 |
large型補完 | {\large ...}型のTeXコマンドを選択挿入します。 範囲選択して実行すると選択部分を囲みます。 |
setcion型補完 | \section{...}型のTeXコマンドを選択挿入します。 範囲選択して実行すると選択部分を囲みます。 |
maketitle型補完 | \maketitle型のTeXコマンドを選択挿入します。 |
アクセント補完 | 各種アクセントのTeXコマンドを選択挿入します。 範囲選択して実行すると選択部分を囲みます。 |
end補完 | \begin{環境名}に対応する\end{環境名}を挿入します。 |
環境名の変更 | \begin{環境名}と\end{環境名}を変更するダイアログを表示します。 |
数学記号イメージ補完 | 数学記号のTeXコマンドを選択挿入します。 |
ギリシャイメージ補完 | ギリシャ文字のTeXコマンドを選択挿入します。 |
イメージ補完モード | 「イメージ補完モード」のON/OFFを切り替えます。 WZ7の起動時はONです。 数式モードで「;」か「:」を入力すると「数学記号」「ギリシャ文字」の補完入力ダイアログを表示します。 数式モードの判定は$...$内、\[...\]内、\begin{eqnarray}...\end{eqnarray}内で判断します。 |
コマンドの削除 | カーソル位置のTeXコマンドを削除します。 \begin{環境名}や\end{環境名}は、 対応する\begin{環境名}と\end{環境名}を削除します。 |
コマンドと内容の削除 | カーソル位置のTeXコマンドと、適用範囲の文章を削除します。 \begin{環境名}や\end{環境名}は、 \begin{環境名}から\end{環境名}の内容がすべて削除されます。 |
TeXコマンドを表示 | TeXコマンドを表示します。 コマンドの解釈はおこないません。 |
TeXコマンドを解釈して表示 | TeXコマンドを表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して体裁を整えた表示を実行します。 |
TeXコマンドを表示しない | TeXコマンドと「$」と「&」を表示上で消します。 「文字参照を文字表示」で、数学記号とギリシャ文字を表示します。 TeXコマンドの一部を解釈して体裁を整えた表示を実行します。 |
数学記号とギリシャ文字の表示 | 数学記号やギリシャ文字の「\sum」を「Σ」、 「\alpha」を「α」で表示します。 |
\begin-\endのアウトライン | \begin{環境名}-\end{環境名}タグの入れ子関係を、アウトラインに表示します。 |
設定 | 「pLaTeX」「BibTeX」の起動オプションを設定するダイアログを表示します。 |
対応ラベルへ | \ref{ラベル}、\pageref{ラベル}、\cite{文献名}に対応する、 \label{ラベル}、\bibitem{文献名}へジャンプします。 |
「TeXコマンド」「数学記号」「ギリシャ文字」の入力ダイアログでは、文字入力で絞り込み検索できます。
- 英字や記号を入力するたびに、絞り込みされます。
- 絞り込んで選択してOKすると、カーソル位置にコマンドが挿入されます。
- 絞り込みを取り消すには、[BS]キーを押します。
「TeX専用メニュー」の仕様は、「p白鳥」を参考にさせていただきました。
TeXリサーチ入力
TeXファイルでリサーチ入力をONにすると、TeXコマンドと環境名の補完入力が有効となります。[wz7new]
リサーチ入力のON/OFFを切り替えるには、[挿入]メニューの[入力とIME]-[リサーチ入力モード]を実行します。
[Ctrl+全角/半角]キーの切り替えにも対応しています。
リサーチ入力をONにすると、ステータスバーの左側に[R]と表示します。
- 「\」とコマンドの先頭文字の入力から、TeXコマンドの補完候補を表示します。
- 「\」と環境名の先頭文字の入力から「\begin{環境名}〜\end{環境名}」の補完候補を表示します。
- IMEをONにした日本語入力モードに対応していますので、IMEの切り替え操作なしで、TeXコマンドを入力できます。
リサーチ入力では、WZ7規定のサンプル辞書と編集テキストから補完候補を取得します。
単語補完辞書にTeXファイルを追加すると、指定したファイルからも候補を取得します。
キーコマンド
TeXファイルを開くと、専用のキー操作が有効となります。
[Shift+Enter] | カーソル位置に「\\」を挿入します。 |
[Enter] | 「\item」段落内で改行すると、新しい行を「\item」で始めます。 予め、[表示]メニューの[タグを記号表示]または[表示]メニューの[タグを表示しない]の実行が必要です。 |
[Alt+B] | 「TeX専用メニュー」を表示します。 |
コンテキストメニュー | 「TeX専用メニュー」コマンドが追加されます。 |
TeXコマンドの体裁表示
WZ7は下記の操作で、TeXコマンドの一部を解釈して体裁を整えた表示ができます。
- [表示]メニューの[タグを記号表示]を実行。
または、[表示]メニューの[タグを表示しない]を実行。
段落内改行 | 「\\」コマンドを段落内改行として改行します。 |
上付き・下付き | 指定を画面表示に反映します。 Σの上下への表示やネスティング指定には対応していません。 |
箇条書き | 「\item」で始まる段落の折り返し2行目以降を字下げ表示します。 |
表 | 「&」を表のそれぞれの桁の区切りとみなして桁揃え表示します。 下記の形式の表の、桁1、桁2、桁3を揃えて表示します。 表の仕上がりの目安を確認できます。 \begin{tabular}{|c|c|c|} 桁1a & 桁2a & 桁3a \\ <改行> 桁1b & 桁2b & 桁3b \\ <改行> 桁1c & 桁2c & 桁3c \\ <改行> \end{tabular} |
下記の操作で、行頭タブの字下げ表示ができます。
「引用」部分を字下げすると見やすい表示で編集できます。
- [表示]メニューの[設定ショートカット]-[行頭タブの字下げ]を実行。
文献データベース
文献データベースファイル「拡張子.bib」を開くと、「BIB VIEW」機能が追加されます。
- 「BIB VIEW」は、文献データファイルの内容を表形式で一覧表示します。
- 絞り込み検索、ソート、\citeに使用する「文献名」のコピーができます。
「BIB VIEW」を起動するには、下記の操作をおこないます。
- bibファイルで[Alt+B]キーを押す。
- 「BIBビューアー」を実行。
絞り込みするには、「BIB VIEW」の「一覧」で文字を入力します。
絞り込みを解除するには、[BS]キーを必要な回数押すか、[表示]-[絞り込みの解除]を実行します。
「BIB VIEW」では、メニューバーから各種操作が実行できます。
[ファイル]終了 | BIB VIEWを終了します。 |
[編集]IDのコピー | 選択項目のIDの内容をクリップボードにコピーします。 「文献名」として\citeコマンドに指定できます。 |
[表示]表示項目の設定 | 一覧に表示する項目名や表示幅、順序をカスタマイズします。 |
[表示]絞込みの解除 | 一覧の絞り込み表示を解除します。 |
[表示]題名順 | 一覧をソートします。 |
[表示]著者順 | 一覧をソートします。 |
[表示]よみ順 | 一覧をソートします。 |
[表示]出版社順 | 一覧をソートします。 |
[表示]発行年順 | 一覧をソートします。 |